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高岡英夫著「究極の身体」に対する印象の変化

前回のブログにも書いた通り、以前読んだ時に、この本には太極拳の動きを理解するヒントがたくさんあると感じていました。


今回も途中まではそれを期待して読み進めていたのですが、何か違和感を感じ始めました。

読み進めながら、太極拳を上手くなるためにはこうしたら良い、といったことをブログで紹介できるような内容を探していました。自分としては参考になることでも、他の人に説明をしようとするとなかなか難しい感じがしてきました。



著者が説明をしている「究極の身体」は身体がリラックスしていることが前提となっています。そのため、身体をリラックスできていない人に中身を共有しても、なかなか実感をしてもらい、役に立ててもらうことができないように感じました。


股関節に関する説明で、「股関節なら。。。フォームやポジションによって一番体重がかかる一点が、物理学的に決まっている。一番効率よく立つためにはその一点をきちんと身体が知っていて、そこに体重がかかるように筋肉をコントロールしなければならない。」と書かれています。


最近、套路の最中に片足をあげるとき、腰をどの角度にしたら股関節に一番体重がかけられて安定するかを探りながら練習をしています。これって、自分でも試行を繰り返してやっているので、やってみたら良いですよ、と勧められる内容ではなくなってしまいます。結局体の状態って個人個人で違うので一般化をすることは自分の力ではできないと感じました。


究極の身体を持っている人の凄さを紹介するだけではなく、一般の人が「準」究極の身体を保つためにはどうしたら良いのか、と言った感じの説明をもっと加えてくれると一般の読者の参考にさらになりそうに思いました。


著者が開発した「ゆる体操」をやることが「究極の身体」を手に入れるための方法なのかもしれないですが、そう思って読み始めると、この本が「ゆる体操」の宣伝のための本なのかなって気がしてしまいます。


それと、人間の身体は、魚類や四足動物の優れたところを継承している、ということをベースに理論を展開しています。全く理解できないわけではないのですが、私自身腑に落ちていないところがかなりあります。この本の内容をきちんと説明するためには、これを無視して取り上げるわけにもいかないので、部分的に紹介することもちょっと困難な気分になってきました。


しばらくは、この本に書いてることを自分の身体で実証実験してみます。何か大きな変化があったらその内容をご紹介する予定です。その時には、作者の言葉でなくて、私自身の言葉で行います。


期待が裏切られてしまった感じで、残念にも思いますが、今後指導者になろうとする立場から考えると、中途半端な知識では教えない、と言う姿勢が出来つつあるのは良いことだと積極的に評価したいと思います。



これからもいろいろな話題を紹介していきます。

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