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修行中学んだこと16 - 弟子を選ぶことの難しさ

自分が弟子を取れるだけの技量を備えているかはまだまだ未知数です。伝統をつなぐためには、そうしなければいけません。弟子は師匠が選ぶだけのものではなく、弟子も当然師匠を選びます。まずは自分の学校を始めて、自分が広めようとしている太極拳とその効能を評価してくれて、自分もいつか同じようになってみたい、という人が出てくることが先だと思っています。先日のブログで書いたとおり、伝統を引き継ぐのは簡単なことではありません。中途半端な気分で弟子になってほしくないし、弟子になってくれる人ができたら、私自身も真剣に向き合って育てていきたいと思っています。


今まで学んできたシンガポールの学校では、今現在、内弟子が11人、一般の弟子が11人います。私は弟子入りした時期が最も古いうちの一人なので、その後に弟子になってきた人がどんな過程を経て弟子になったのかをかなり見ることができました。


ある生徒さんを弟子にするとき、どんな基準を儲けたら良いのか、色々と考えさせられました。弟子が、伝統を繋いでいくための手段だと考えると、太極拳の技量がある、もしくは技量を伸ばすための下地があることは最低条件でしょう。単に学校が好きだから、とか、師匠が好きだから、ではダメだと私は思います。その程度の理由だと、途中で挫折する可能性が高く、育てても無駄になってしまいます。


師匠、もしくは師匠が持つ技術に対して敬意を持っていることも必要でしょう。敬意を払えない人からは、きちんと学ぶことはできないし、教える側も反発ばかりしている人には教え切ることはできないでしょう。でも、これが行き過ぎるとイエスマンばかりが集まって、組織としては歪んだものになりかねません。


自分が弟子を取れるようになった時には、きちんと練習をし続けることができるかどうか、は大きな要素だと思っています。伝統を引き継ぐためには、練習なしには不可能です。今まで、基礎はあるのに練習をしない、そのためある程度まではできるようになるけど、その先は伸びない、っていう人を何人も見てきました。元々足腰の強さ以外に長所のない私にとっては、いわゆる天才肌に見えるような人です。天才肌に負けないように私が努力を続けることの原動力になったという意味では私の成長の助けにはなったのですが、残念ながら、伝統の観点からは全く役に立ちませんでした。


中国の伝統では、自分の周りに家族のような環境を作ってお互いに助け合う、というような感じで武術を受け継いでいくことがあるようですが、ちょっと気を緩めると、まともに武術ができない人ばかりが集まった集団になってしまうこともあるようです。


自分が弟子を取れるようになったら、単に雑談や心地の良い会話をするだけではなく、真剣に技術を磨き合えるような関係を築けるような人たちと出会えることを期待します。


 

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