top of page

推手のレッスンでの気づき

週に一度、師匠と、私の兄弟子の三人で推手の個人レッスンを行います。実際に相手を押す動作を繰り返しやるので、1時間でもかなりハードな練習です。終わると何もしたくなくなります。


この兄弟子ですが、入門したのが私よりも2年ぐらい早いので、「兄」なのですが、年齢は私の息子と同じぐらいの年代です。


ちなみに、うちの学校では、推手は、Push Handと呼ばれることが多いです。中国語の時はtuīshǒu(トウエイショウみたいな感じの発音です)といいます。どんなものかというと、套路で学んだ動きを実際に使うための練習です。向かい合った相手と、押し合いをしたり、投げ飛ばしたりします。


教室では、一通り套路ができるようになって、何度か修正を受けた生徒さんが希望する場合には、教えています。套路がきちんとできるようになればいい、という人も少なくないので、強制はしないです。


私は正直、この推手が苦手です。できればあんまりやりたくない。套路は一人でひたすら練習をすることができるけど、推手は一人では本格的な練習ができません。練習をすることを厭わない私にとって、套路はある程度上手くなれるものですが、練習相手がいないとできない推手はなかなか上手くならないです。根本的なところでは、上手くならないから好きではないのだと思います。


今日のレッスンの時に、師匠に、体がバラバラに動いている、コーディネーションができていない、と指摘されました。例えば相手を投げ飛ばす時。手の動きだけでなく、足、腰が一体になって動く必要があります。頭では分かっているのですが、実際に相手を投げようとすると、どこかに力が入って、そこが無駄に動いてしまいます。


私の兄弟子は、歳が若いので飲み込みが良いのか、天賦の才があるのか、はたまた体力があるのか、その全てなのかわかりませんが、コーディネーションが非常にうまい。師匠の動きを見ていて、なんとなく真似できてしまいます。


私の場合には、凡才のである上、歳がいっているので飲み込みが悪く、体力も昔ほどはないため、上手くいかない。上手くいかないとあれこれ考えすぎてますます力が入って余計にできない。だんだん嫌になってきます。


練習の後で、兄弟子と雑談をしながら、太極拳には三つの重要な要素があるのかな、と感じました。一つ目は、今日の主題であるコーディネーション。套路をやっていても、手足が上手く一緒に動かない人は山ほどいます。これが苦手は人は、人よりも多く繰り返し練習するしかないと思います。


二つ目は、体を脱力すること。中国語では放松(ファンソンと発音します。fàngsōng)。套路でももちろん大切なことですが、推手では、相手の動きを感じるためには必須になります。相手が何かを仕掛けようとしていると、直ちにその動きを察知できるためには、体に力が入っていてはいけません。兄弟子曰く、これは私の方が彼よりも優っているそうです。確かに力を必要としない場面では、私が彼の動きを支配できることも結構あります。


三つ目は、一番基本的なことですが、足腰が強く、安定していること。これは長年やってきているので、兄弟子も私もそれなりのものになっています。


兄弟子と比べて、より多くの練習を積まないと同じレベルに辿り着けないのは、自分がコーディネーションが苦手だからなのだと感じました。幸い、練習しても追いつけないわけではないので、理由がわかったことですっきりとした気分になって練習に打ち込むことができます。


自分が全ての面で劣っているのではない、ということを発見できたことも大きいですね。前向きな気分で頑張ることができます。




これからもいろいろな話題を紹介していきます。

最新のブログをご覧いただくために登録をお願いします



閲覧数:37回0件のコメント

最新記事

すべて表示

仕事を始めて1週間

今週の火曜日から、会社勤めを始めました。朝練をして、日によっては午前中教えて、お昼ご飯を自宅で食べて、午後から出社でした。1時から5時までが契約で定められた働く時間です。家に着くのが6時過ぎ。夕ご飯を食べて、のんびりします。 まともにオフィスで仕事をするのは本当に久しぶりなので、肩が凝りますね。周りに人がいるので、きちんとしていなければいけない。仕事がなくても、仕事をしているふりをしていないといけ

ペン習字始めました

日本に帰国する前、時間ができたら書道をやりたいと思っていました。太極拳をやるようになって、リラックスして精神統一が少しはできるようになりました。そんな精神状態をもっと突き詰めるための方法として書道を考えました。字がお世辞にも綺麗だとは言えないので、それを改善したいという思いもありました。 実際には、教室もどこへ行って良いのかわからず、教室に行く時間が取れるのかもわからず、そもそも毎朝筆を用意する余

bottom of page