top of page

太極拳ができるようになるまで② - 「なぜ正しくできないか」

昨日のブログで動画を紹介した際に、套路の「修正」っていう単語を使いました。今日は、「修正」って何か、なぜ必要なのかを書いていきます。


なぜ、習った通りに正しくできないのでしょうか。


自分への反省も含めて、教え方が悪い、というのはありますね。生徒さんがきちんと理解できるように説明できていない。できるようになるコツをしっかり伝えられていない。等々。ある動きを教えた次のレッスンで、きちんとできていない生徒さんがたくさんいると反省しきりです。


習う側の話で言うと、まずは覚え違い、勘違い。伝言ゲームってありますよね。前の人に言われた単語を後ろの人に伝えるだけの単純なゲームです。一列に並んで、先頭の人が果物の名前を三つ、後ろの人に伝える。伝えられた人は、自分の後ろの人に聞いた内容を伝える。それを繰り返していきます。最後尾の人に伝えられた時には、全く異なるもの、場合によっては果物ですらなくなっていることがあります。単純な単語の伝達ですらこんなことが起きるわけで、複雑な動きを説明すれば、当然覚え違い、勘違いは起きます。


でも、これは比較的対処しやすい間違いです。間違いを指摘して、理解できるまで繰り返し説明を続ければいいだけです。


習ったことを忘れてしまう、って言うのもあります。復習してくださいね、ってお願いしても、教室に来た時にしか練習をしないって言う人は圧倒的に多いです。


これも対処しやすいです。もう一度教えれば良いだけの話です。


身体が特定のステップが求める動きるための基盤ができていないこともあります。例えば、足腰が十分に強くない。しっかり腰を落として、それから片足を上げるような動きはなかなかやりきれません。柔軟性が足りない、って言うのもあり得ます。呉式太極拳では、極端な足上げはないのですが、それでも身体は柔らかい方が色々な動きが楽にできます。肩の高さが左右で異なる、って言うのも、動きができない理由にはなりませんが、見た目としてはあまりよくは見えません。


肩の高さの違いを指摘すると、生まれつきこうなんだとか、今までずっとこうなんだからとか、って思い込んでいて、治すことはできないと考えている方も結構います。全てが治るとは言いませんが、肩の高さの違いって、腰の位置の歪みだったり、筋肉が左右のどちらかに向かって引っ張られていることで発生していることがあります。この手の理由であれば、ゆっくりとした動きを繰り返していって、リラックスできるようになれば徐々に治ると思います。


身体の準備ができていないために正しくできないのは、時間をかけて体の準備をする必要があります。教える側は、嫌味にならない程度に繰り返し指摘をして、時間をかけて直すことを促すことが必要になります。柔軟性が理由でできないものをすぐにできるようにしようとする指導は問題ありだと思います。できない理由を見極めるのも教える側に必要な資質ですね。


自分の経験で、一番厄介だと思うのは、一見「勘違い」と似ているのですが、過去の自分の経験から、習ったことを誤って解釈して、それを記憶してしまった場合です。「思い込み」です。教えてもらったことを理解するためには、通常自分の過去の経験に依存することになると思います。習ったある動きが、過去に経験のある特定の動きと似ていると判断すると、自分の知っている過去の動きに即して習った動きを行うようになりがちです。


過去に習った内容に関して自信のある人ほど、この問題を紐解くのは難しいです。簡単な例で言うと、他の太極拳の流派や、他の武術、他のスポーツで習った動きをもとに習ったことを解釈しているわけです。あのときあれで正しかったのだから、今回も正しいはずだと言うのが「思い込み」につながります。


これを治すのは、非常にしんどいです。過去を一度リセットしてもらうのが一番なのですが、言うは易し、行うは難し、です。頭を切り替えられれば良いのですが、人間の脳はそこまで柔軟にはできていないように思います(少なくとも自分はそうです)。特に、新しいものを学びながら、同時並行で解釈の基準になっていることを継続している場合には、どうしようもない気がします。


繰り返し、繰り返し、指摘していくしかないのですが、自分が正しい、と思われているものをひっくり返すのは、洗脳を解く作業にも通じるものがあるように感じます。


こんな感じで色々な理由で、求められている通りにできないことがあります。次回は、これらをどうやって直していくのかという「修正」というプロセスを具体的に説明したいと思います。




これからもいろいろな話題を紹介していきます。

最新のブログをご覧いただくために登録をお願いします



閲覧数:26回0件のコメント

最新記事

すべて表示

スタジオの鏡

これから開く自分の教室のスタジオにも鏡はつけました。鏡があると、自分の姿勢や動きを確認できるので、便利です。 この間、個人レッスンをやっていたときのことですが、生徒さんと並んで鏡に向かって練習をしていました。自分で動きながら生徒さんの動きを確認できるのも鏡の良いところです。鏡がないと、一緒にやらないで、生徒さんの動きを確認しなければいけないです。習いたての生徒さんは、そうするとなかなかうまくできな

薬指

bottom of page