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後ろ髪を引かれる思い?

だんだんとシンガポールでの修行生活の残りが少なくなってきました。前にも書いた通り、学び残したことをクヨクヨするのはやめました。全てを学ぶまで海外で修行を続けるのは、経済的に無理です。


残りが少なくなってきたことで、生徒さんたちの間でも、私が2月に本帰国することが認識され始めました。


何人かの生徒さんに、もう少し残ることはできないのか、と聞かれました。もう少し学んでいたい、と言った思いや、今後誰が教えるのかわからないのが不安、と言った声も聞かれました。少なくとも自分のことを必要と感じてくれている人がいることを確認できて、ちょっと嬉しい気分です。


どんなことでもそうだと思うのですが、きちんと教えられるようになるにはかなりの時間を要します。私程度のレベルでさえ、毎日練習を続けて10年になります。


私からみても、今のインストラクターの中で直ちに私の代わりになってレッスンをカバーできる人は数えるほどしかいません。生徒さんには申し訳ないけど、学校側がなんとかしてくれます、としか言えないです。去り行く私ができることは、ほとんどありません。


随分前から、若いインストラクターには、修正した方が良いと考えられることを伝えてきたのですが、あまり心を打つメッセージにはならなかったようです。


一番強調したかったのは、難しいことを取得する前に、基礎をしっかり学ぶべきだということです。長く学んでいると、どうしても難しいこと、他の人ができないことをやろうとしがちです。一般の生徒さんならそれでも良いのですが、教える立場にいる人は、優しいことがきちんとできて、きちんと説明できることの方が重要です。難しいことを教えるのは、師匠をはじめ、もっと経験のある人に任せれば良いわけです。


難しいことを追い求めてしまうこの人たちの言い分の一つが、師匠が高齢になって来たため、今学ばなければ、学ぶ機会を逸してしまうということです。


わからなくはありませんが、基礎的なことができない人が難しいことをきちんとできるはずもありません。歩くことができなければ、走ることはできないわけです。


私の師匠にも、兄弟子、弟弟子がいたそうです。先代の師匠が亡くなるまで、多くの弟子が真剣には太極拳と取り組まず、その後後悔したそうです。存命中に学んでおけばよかったと。


うちの師匠は70歳を超えました。まだまだ元気ですが、あと何年教えられるかは、誰もわかりません。本人も毎日教えるのは疲れて来た様子を見せはじめています。


幸い、私は、万が一のことがあって、この先師匠から学びとることができなくなっても、後悔をしない覚悟ができています。自分で修行を続けて、向上をはかっていきます。


私自身は、自分でどうにもできないシンガポールの学校の行末を案じるのではなく、少なくとも自分の学校では、きちんと生徒さんに教えて、興味を持ってもらい、できればこの技術を将来に伝えることのできる人材を育てていきたいと思っています。






 

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呉式太極拳教室「太極の小径」では、2023年10月からの生徒さんを募集しています。詳しくはこちらからご覧ください。



 

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