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太極拳の一丁目1番地1号 その2

2023年1月13日
読了時間: 5分

前回説明しました通り、呉式太極拳教室「太極の小径」では、一つ一つの動きについて、正しい動きをきちんと説明していきます。こういった太極拳の基本を学べる動きを15種類程度用意しています。これらを学ぶだけでも、しっかりとした足腰を作ることが可能です。


ただ動きを教えるだけでなく、なぜそれが必要なのかを明らかにもしてきます。理由もわからず続けることは、惰性か、苦痛のどちらかになってしまうからです。


なぜ、正しいスクワットが大切なのでしょうか?


まずは体を支える下半身から考えていきます。


膝とつま先が同じ方向を向き、膝はつま先よりも前にいかない、と言うのが正しいスクワットの要件の一つです。


足の裏全体を地面につけた状態で膝を横に開いていくと、つま先の角度よりも開けないことがわかります。それよりも内側に膝がある状態だと、膝は内側にも外側にも動きます。つま先と同じ方向まで持っていくとそれ以上外側に動かすことはできないので、外向きに力をかけ続けてあげれば、膝はそこで安定します。


膝がつま先よりも前もしくは後ろにいってしまうと、膝はまた不安定になります。膝がつま先よりも前に入っている場合、腰が必要以上に前に入っている可能性が高いです。足の裏では、つま先側に重心が偏っています。後ろから押されると簡単に前に倒れてしまう状態です。


膝がつま先よりも後ろに入っているのは、多くの場合、身体を下ろすのを途中でやめてしまっている状態、要はきちんとスクワットをしていない状態です。


「膝とつま先が同じ方向を向き、膝はつま先よりも前にいかない」状態を作ることで脚を安定して上半身を支える基盤とすることができます。膝がつま先よりも前に出ている時には、多くの場合、腰が必要以上に前に来てしまっています。


片足を上げる動きをしてみると、これができているかいないかで、安定感や動きのスムーズさが圧倒的に変わります。


このつま先と膝の関係をしっかり掴むことで、膝にかかる負担を大幅に軽減することができます。太極拳をやっていて膝を痛めている人が結構いると聞きます。基礎をきちんと学ぶことで怪我を防ぎます。


次は、上半身を支える基盤でもう一つ重要な要素、骨盤です。地面に対して垂直になるようにします。骨盤が乗っかる脚にに対して垂直に差し込むことで、乗っかっている骨盤も安定しますし、支える基盤の方も余分なエネルギーを使う必要がなくなります。


骨盤が斜めになっているって言うのはまさにピサの斜塔のような状態です。とても安定しているとは言えません。


骨盤が斜めになっていると、その影響は上半身にも及びます。骨盤が斜めになっている状態は、二つ考えられます。一つは前傾、もう一つは後傾です。


前傾は、「通常のスクワット」、つまりお尻が後ろに出ている状態です。お尻が後ろに出たままの状態で、状態を地面に対して垂直にしようとすると、お腹に力が入って、背中が剃ります。



お腹に入ってしまった無駄な力は、他に波及して、身体全体の動きが固くなります。


今まで教えている中ではあまり見たことはないのですが、骨盤が後傾している場合は、背中が丸くなって猫背になります。猫背になると背骨よりも前に頭が位置するために、それを支えるために背中の筋肉を必要以上に使うことになります。背中が張ってしまう原因の一つです。


教室でスクワットを指導する時には、最終的には生徒さんの腰の傾きを私の手で調整することも行います。


前傾、後傾どちらの場合でも、骨盤の中心と頭の中心がずれてしまうことが圧倒的に多いです。基盤の中心とそれが支えなければいけないものの中心がずれていると、その状態を支えるために余分なエネルギーを使うことになります。


骨盤を垂直に保つこと、これは、上半身を地面に対して垂直にするための必要条件であると言えます。


上半身が骨盤から真っ直ぐに上に伸びていくことが必要なのは説明の必要はないでしょう。もし、ピサの斜塔が斜めになっているだけでなく、途中からさらに曲がっていたら、立っていることを保つのはさらに難しくなります。


正しいスクワットを行うこと、それは身体を安定させるために必要なだけでなく、無駄な力を抜くためにも必要なトレーニングなのです。無駄な力が抜け、身体の動きが安定すると、呼吸も、そして「こころ」も安定する方向に向かいます。


このスクワットがしっかりできないと、足を前に出す、前に歩く等々の基本的な動きもきちんとできません。


例えば、下の写真は、呉式太極拳の基本姿勢の一つ、七星勢(チー・シン・シ)です。スクワットの状態から足を前に出した状態です。



たかがスクワット、されどスクワットです。私が教える時には、スクワットがきちんとできているかは毎回のようにチェックします。


2度にわたって、一番基本となる動き、スクワットに関して説明をしてきました。こんな感じで、一つ一つの動きをきちんと把握し、なぜそれが必要なのかを明らかにしながら、ゆっくりと、しかし確実に前に進んでいきます。


呉式太極拳教室「太極の小径」では、スクワットのような太極拳をやるための基礎を作る運動を15種類程度用意しています。一つ一つをしっかりと学べるようなシラバスを作っています。


単に手足のゆっくりとした動きにとどまらない、身体をきちんと動かせるようになる太極拳、ご興味はありませんか?



これからもいろいろな話題を紹介していきます。

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