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「易の話」番外編 ー ロゴの意味

もう少しいじりたいなと思っているのですが、とりあえず現在使っているロゴはこれです。


これまで、金谷治氏の「易の話」という本を何度かにわたって紹介してきました。「易」は占いの本であると同時に、どう生きるべきかを示してくれる思想の本でもある、ということを中心に話をしてきました。


私もこれから自分の太極拳教室を持とうとしている中、「易」に由来して二つの立場をとることができます。一つは、自分の教室がどうなるであろうかを「易」に書いてある方法で占ってみること。もう一つは、自分が置かれている立場を想定して、これからどう進めていくべきかを「易」に書いてあることから探ってみること。


純粋な後者の立場とはちょっと違いますが、太極拳を学んでいく中であるべき姿を示した卦を、その思いを忘れないためにロゴに使おうと決めました。それが冒頭に示した卦です。


これは、地山謙(ちざんけん)という卦です。この「謙」とは、「謙遜」とか「謙譲」とかいった言葉からも分かりますように、「へりくだる」ことを意味しています。6本の棒で構成されている卦は、上の三本と下の三本でそれぞれ意味があります。下の三本は、山を表します。地面から高くそびえ立つ山です。そして、上の三本は地面を表します。通常であれば、山は地面の上に立つもの。それが逆になっているわけです。本来は自分の方が高いところにあるはずの山が、地面より低いところに自分を置くこと、そこから「へりくだる」という意味が出てきます。


どんな武術でもそうだと思いますが、使い方を間違えると、自分自身も、自分の周りにいる人も不幸になりかねません。自分が持っているものを誇示するのではなく、うちには充実した力を備えていながらも、常に一歩後ろに控えるような立場をとり続けることで不幸な出来事を排除できるようにしていきたいと思っています。


私がこの太極拳を教えていく中で、本当に目指したいのは、身体や技の強さではなくて、心の強さです。手を出さなくて済むのであれば、手を出さない勇気を持てる強さ、そもそも手を出したくなるような心の状況を作らないような、安定した心、そういったものを身体をリラックスさせ、心を落ち着けることで目指せたらと思っています。


そういった目標を達成するためにも、「謙」というこの字が入った卦をロゴに使い続けて、その思いを自分も、自分の元で学んでくださる生徒さんにも気に留めておいてもらえたらうれしいです。





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