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執筆者の写真Mitch Sato

聴く耳

身近な人の意見って、かえってきちんと聞き入れられなかったりすることはよくあると思います。近所に新しいレストランができました。家族に、あそこは美味しいよ、って言われてもなかなか行かないのに、雑誌に出たり、それほど親しくない近所の人に勧められたりするとあっという間に行ったりします。


身近な人ほど自分のことを知ってくれていて、正しいことを言ってくれそうなものですが、なぜか意見とかお勧めは、素直に聞き入れられなかったりします。身近な人への甘えなんでしょうか。



この間一時帰国した際に、奥さんに立っている状態で右肩が下がっている、って指摘されました。二つの理由でこの指摘をきちんと聞かず、検証もしませんでした。一つは、以前師匠に治された時には、左肩が下がっていると言われたこと。もう一つは、長いこと練習を積んで、それは解消されたはず、と思っていたこと。まさか、思っていたのと逆の方が下がっていることがあるとは思いもしませんでした。


シンガポールに戻ってきて、師匠からレッスンを受けている時、ふと、右肩が下がっていると指摘されました。我に帰って鏡で自分の姿勢を確認すると、確かに右肩が左肩よりも下がっていました。体重が右にかかりすぎているからかな、とその時には思いました。


翌朝、無極功(ただ単に立っているだけの練習です)をした時、普段は壁に向かってするのですが、この時は、姿勢を確認したかったので、鏡に向かってやってみました。


確かに右肩が下がっていました。足の裏も右足の方が体重がかかっていました。体重を少し左にずらしてみましたが、それだけでは肩の高さが同じになりません。なんだか体のあちこちに変な緊張感がありましたし。


どうも腰が右方向に捩れているようです。反対に捻ってあげると肩の高さはある程度揃います。どの程度捻れば良いのか、それが他に影響を与えることはないのかは、まだ検証中です。毎朝、あれやこれやと試しながら、矯正を続けています。


ただ、それよりも早く治さなければいけないのは、人に指摘されたことを素直に受け入れられる度量を作ることです。他人はなかなか間違いを指摘してくれません。身近にいて誤りを正してくれる人の意見をきちんと聞けるようになることも重要な心の鍛錬です。


奥さん、素直に意見を聞かず、ごめんなさい。






 

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