ブログのカテゴリーの中に、「太極拳あれこれ」というカテゴリーを作りました。このホームページを始めてから、太極拳に関して一部の経験者を除いてほとんど知らない人が圧倒的に多いという印象を受けました。このカテゴリーでは、太極拳に対して少しでも興味を持った方が、その内容を少しでも理解していただくために、自分の経験をもとにコラムを書いていきます。
私が太極拳を始めた10年ぐらい前のこと。どうやったらより正しい動きになるのかもわからなかったし、使われている言葉もよくわかりませんでした。入門者が非定期にしか入らないため、入門者向けの説明ってほとんどありませんでした。見よう見まねで動きを追いかけていたというのが実際でした。
第1回目の今回は、「太極拳って何だろう」というテーマを考えてみたいと思います。
銭育才著の「太極拳理論の要諦」によると、「中国武術の一種で、”太極”という根本理念を全ての指導原則とする拳法」ということです。この説明を理解するためには”太極”っていう言葉の意味がわからないとどうしようもないです。
”太極”を理解するためには、老子の道徳経や易経を読む必要があります。元々中国では古くからいろいろなことを考える際の根底にある概念なので、彼らにとっては身に染みついた概念なのかもしれませんが、日本人にとってはそんなことはありません。内容が理解できなければ、拳法への応用も望めません。
では、”太極”を理解しないと太極拳は始められないのか、っていうとそんなことはないと思います。まずは身体で体験してみる。身体を動かし、足腰の基礎を作りながら、ひょっとしたらこんなことなのかな、って感じてみるようなアプローチで良いと思っています。
何か新しいことを学び始める時、その内容の「定義」から始めるたいと思う人は多いと思います。でも、定義をできないと先にすすめないかというと、そんなことはないと思います。学び始めた時に理解したを思っていた定義と、ある程度学習が進んだ後の定義は、似て非なるものになっていることがままあります。物の本質は、ある程度その物に対する理解が進まないとつかめない、というのが普通だと思います。
太極拳とは何?ということに関してよくある誤解をいくつかご紹介します。
一つ目は、「年配の人がやるもの」ということ。動きもゆっくりだし、無理もなさそうなので年配の人向けの物だと思われがちですが、しっかり身体を動かすとたっぷり汗もかきますし、かなり運動をしている方でも足腰の強化につながるものです。
二つ目は、「ゆっくりとした踊り」であるということ。傍から見ると単に踊っているように見えますよね。でも、一つ一つの動きにもともと武術としての意味があり、それを理解しているか否かで動きが大きく変わります。
最後にもう一つ。「武術といってもそんなにゆっくり動いているのだから、実際にはつかえないんでしょ」ということ。効率的に身体を動かすことを学ぶことで、必要最低限の力で相手に攻撃を加えたり、防御を行ったりするためのものです。実際に師匠と打ち合い、押し合いを練習の中で行っています。
色々と書きましたが、始める時は、「公園とかでやってるゆっくり動くやつでしょ、何がいいのかよくわからないけど、健康にいいらしいからやってみようかな」程度の軽い気持ちで始めていただければいいかと思います。そんな中で、少しでも興味を持っていただき、ご自分の健康のために続けていただく方が出ていただければ幸いです。
これからもいろいろな話題を紹介していきます。最新のブログをご覧いただくために登録をお願いします
コメント