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太極拳と心の安定

太極拳をやる目的っていろいろとあると思います。武術として極めて強くなりたい、護身術として学びたい、健康維持をしたい、足腰を鍛えたい、友達を作りたい、などなど。


私自身、まだ向上できそうだから続けている、といった側面が少なからずあります。惰性ですね。


もちろん、東京で教室を始めるにあたって、学ぶべきものをしっかり学んで、将来、学びにきてくれた生徒さんが太極拳の良さを感じて、心身ともに健康になってもらうお手伝いをしたい、っていう大命題はあります。


ふと思いました。武術としてやるにせよ、健康になることを目指すにせよ、どちらも心の安定が必要なのではないかと。



あまり遭遇したいとは思いませんが、武樹として習ったものを使わなければいけない状況って、かなり緊張を強いられる場面だと思います。ひょっとしたら自分が怪我をするかもしれない、痛い思いをするかもしれない、そんな思いの中で、冷静に何をすべきかを判断できるような心の安定がなければ、いくら平素から技を鍛えていても何の役にも立ちません。


身体が健康でも、心が病んでいたら、あまりいい気分ではいられないと思います。逆に心が健康でなければ、身体が本当に健康になることはないのではないかとすら感じます。


太極拳のゆっくりとした動きは、心の安定を作るのに役に立ちます。


「心の安定」って、言い換えれば自分の感情をコントロールできることです。自分の意識があちらこちらに飛び回らず、集中している状態を作れること、そんな状態が心が安定している状態です。


「心の安定」を目指すには、何をやったら良いかというと、呼吸を安定させることが一つの方法です。長くゆっくり息を吐く。胸を使った浅い呼吸ではなく、お肚を意識してしっかりと呼吸をします。


こう入った呼吸って、身体に無駄な力が入っているとうまくできません。試しに肩に力を入れた状態で呼吸をしてみてください。大きく吸い込むことができないため、長くゆっくり息を吐くことはできないはずです。無駄な力を抜く、つまりリラックスした身体を作ることが必要なわけです。


では、どうやれば身体をリラックスできるのか。教室でもよく聞かれる質問です。身体に中心軸が作れるようになると力みが抜けるそうです(齋藤孝著「呼吸入門」53頁)。立っている時に身体の真ん中に芯が一本通っているような感覚を持てるようになることです。


そんな感覚をどうやって掴んだら良いかというと、丹田と足の裏にしっかりと力を貯めることができるようになることです。


先日のブログで、呉式太極拳教室「太極の小径」で教えるスクワットの話をしました。あのスクワットはまさに丹田に意識を沈め、足の裏でしっかりと地面を支えるためのものです。あれがきちんとできるようになることが、身体の中心軸を感じることの第一歩になります。



それに合わせて、ゆっくりとした動きを通じて、集中して、心が散漫にならないような練習を行います。


心が安定すると、仕事も私生活もより楽しめるものになると思います。私自身感じていることですが、昔はもっと短気でした。最近は、昔ならあっという間に怒り出したようなことに遭遇しても、落ち着いた気分でいられることが多くなりました。気分の抑揚がなくなったので、心の底から疲れることが減りました。


私の太極拳は、武術にせよ、健康維持にせよ、心を落ち着かせることを目標にしていきます。生徒さんが基本的な動きや套路を学んでくださった後には、禅のような練習会も企画していきます。




これからもいろいろな話題を紹介していきます。

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