太極拳とは直接関係のない話ですが、このブログでは、太極拳関係の中国語で書かれた書物を紹介することもあるので、中国語に関する雑感を書いてみます。私の中国語は大したレベルではないので、あくまでも今まで学んできて感じている個人的な感想とお考えください。
いろいろな外国語を学んできた経験から、中国語は日本人にとって最も学びやすい言語だと思います。多少字体は違いますが、日本人は漢字に馴染みがあることが最大の理由です。中国語の漢字は、基本的には一つの字に一つの音が割り当てられているので、日本人が知っている漢字にもう一つ中国語の音を当てはめて覚えれば良いだけです。日本人以外の多くの方々は、中国語を学ぶために2000近くの文字を覚える必要があります。ゾッとしませんか?
逆に中国語を話す人が日本語を学ぶ時には、漢字は認識できても、一つの字に複数の音が存在するため、どんな時にどの音を使ったら良いかを学ぶのに結構苦労するようです。
中国語の文法、特に語順は英語に近くて、日本語と全く違うという人もいますが、私は、中国語を書いたり話したりするときに、頭の中で日本語をある程度そのままの順序で置き換えることができるように感じています。
確かに、「私はあなたを愛しています」というのを中国語で言うと「我爱你」となって、英語の "I love you"と同じ語順になります。
でも、「私が愛している人」を中国語で言うと「我爱的人」と語順が非常に似てきます。これを英語で言うと"A person I love"となってかなり語順が違います。中国語では、日本語のように動詞が最後に来ることはありませんが、こういった文章を構成するパーツの作り方はかなり日本語に近いのではないかと思います。「的」と言う日本語の「〜の」を意味する文字が存在するもの二つの言葉が似ていると感じる理由でしょう。
どんな外国ぼも学ぶにあたってはそれなりの苦労はあります。日本人にとって中国語が難しいと感じる最大の理由は、四声と呼ばれるイントネーションの存在でしょう。日本語もイントネーションが全くないわけではありませんが、ひらがなを単音で発音した時にはイントネーションはありません。中国語の場合は、「ma」と言う単独の音でも、高めのまっすぐ伸びる音、低いところから上がる音、下がって上がる音、高いところから下がる音の四つがあります。イントネーションの重要性は、これを意識することなく話している日本人の想像以上に高くなっています。中国語ではイントネーションが正しくできなければ、何を話しても理解してもらえないと思って間違い無いと思います。
個人的には、イントネーションよりも厄介だと感じていることがあります。日本語と中国語で、同じ字を使っていながら、意味が違う場合があることです。
例えば、愛人(爱人)は、中国語では配偶者を意味します。パーティーに呼ばれた時に「愛人同伴可」なんて書いてあるととんでもない誤解を生みかねません。
この例のように、はっきりと違う場合には、違うことをしっかりと覚えるだけで済むので、難易度はそれほど高くないと思います。
もっと面倒なのは、同じ字を使っていて、意味も大体似ているのだけれども、微妙にニュアンスが違ったり、使われる場面が違うものです。こういった違いを細かく説明してくれているような本はあまりないと思うので、一つ一つ、自分で辞書をひき、実際の例に触れながら体感していくしかないと思います。
そしてさらに面倒なのは、日本語にも同じ単語が存在していても、今ではほとんど使われなくなっているものです。使われなくなった単語を使って訳して良いものか、使われてないと自分が感じているだけで、実は多くの人が知っている単語なのではないのか、といった判断に迷います。
一例としてこんなコラムを見つけました。
太極拳に絡む単語だと、「意念」なんて日本語で使って良い単語なのかどうか迷うところです。日本語の辞書には載っているのですが、太極拳を習い始めるまでは聞いたことがなかった単語です。「神」という単語は、日本だと神聖さを感じさせる文字であるため、中国語の太極拳の本を読んでいるときに、この字が出てくるとなかなか理解ができなくて苦しみます。
昨日のブログで「行功心解」をなんと読むようにしようかいうのも結構悩みました。訓読にしても良いかと思ったのですが、「コトバンク」で調べてみたら、行功も心解も日本語として存在していました。さすがにこれは普段は使わない単語だと思うのですが、どうでしょうか。
自分の日本語の語彙、感覚をもっと磨いておけばよかったと痛感しています。
これからもいろいろな話題を紹介していきます。
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