先月末から、コーチを養成するためのトレーニングが始まりました。30歳ぐらいの女性一人を候補者として、2年間でコーチに育て上げるために、学校がトレーニングプログラムを作りました。
コーチが不足している中、少しでも早くコーチを育てるための手段です。
候補者になった人は、特に運動も太極拳も経験があるわけではなく、学校に関わる人に近しい関係にある人から選ばれました。選ばれた課程は私はよく知りません。伝統的な太極拳を教えられる人をこんな感じで急いで作れるのかどうかはよくわかりませんが、少なくとも私には良い経験になっています。
運動の経験がないので、まずは体力作りをする必要があります。うちの流派の套路は40分に及ぶので、それなりに体力がないとやりきれません。教える立場ということになれば、尚更です。日に何度も套路をやらなければならないこともあります。体力作りのプログラムは、校長が担当することになりました。
太極拳の指導は、師匠が責任者です。
プログラムは結構ハードです。火曜日から金曜日まで、夕方2時間、みっちり鍛えられます。そのほかにグループレッスンに参加するので、候補者の女性はかなりの運動をすることを強いられます。
2時間のうち、前半は套路の習得、後半は体力作りになります。本来なら順番が逆なのではないかと感じられるかもしれませんが、体力作りでクタクタになってしまうと、套路を学ぶ気力がなくなることを危惧して、この順番になりました。
このプログラム、三つの面で私のためにもなっています。
一つ目は、とりあえず套路を覚えることの指導を任されたことです。初めて学ぶ人なので、あまり詳細に入らず、でも、基礎はしっかりと教えることを求められています。改めてゼロから教えるのは新鮮でいいものです。
二つ目は、コーチ養成の方法を垣間見ることができることです。これほど短期でコーチを養成することは自分ではないと思いますが、どんなふうなトレーニングを行うのかを知ることは自分にとっていい経験ですし、それに参加したことは、自分の履歴書にも書けそうです。
最後の一つは、体力作りのプログラムに自分も参加していることです。改めて自分の体をしっかり鍛えるいい機会です。これは、候補者の人が一人でやるよりは、隣で一緒にやる人がいた方がやる気を保つことができるだろうという配慮です。
体力作りプログラムの一環で、昨日、縄跳びをしました。昔は結構得意だったのですが、今は、体の重さを感じました。飛ぶのは問題なかったのですが、なんだか体のあちこちの肉が上下に揺れているような気がしました。余分な肉がまだまだついているということだと理解しました。
このプログラム、私がシンガポールにいる間はずっと続きそうなので、自分の経験と体力を作るためのものだと思って、積極的に関わっていきます。
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